2010年4月5日月曜日

専業主婦の歴史

mixiのほうで、
嫁問題について持ち上がっているコミュをみていて、
興味があったからしらべてみた。
しらべてみたから書いてみた。
書いたものそのまま引用。
急調べなので、資料の正確さなどに
いささか信憑性がないけれども。


トピ立て失礼します。 
「専業主婦(夫)の方はニートだ」 
「専業主婦(夫)の方はニートではない」 
という問題のなかで、「専業主婦」という言葉について 
定義が少し混乱しているように思いましたので、 
このあたりで専業主婦の歴史を振り返ってみるのも 
よいかな、とおもいトピを立てさせていただきました。 
あくまでも私調べですので、 
「他にもこんな側面があるよ」 
「これってこういう意味なんじゃないかな」 
「現在はこうだよ」 
など、ご意見やご感想、補足や訂正など、 
皆様どうぞ宜しくお願い致します。 

さて、江戸時代の頃。 
日本では、「女は家事のみを行う」という習慣はありませんでした。 
農業主体の国家でしたので、 
農家は稲刈り、田植えなど、家族親戚一同で仕事をし、 
家の中のことも家族で行う(男性が薪を割ったり)ことが、 
ごく一般的だったからです。 
漁業を営む家庭、地域でもそれは同様にあります。 
また、都市部の女性も、針を持つ仕事や行商、髪結いなど、 
様々な職業を持っているのが普通でした。 
特に上州では、養蚕業が盛んでしたので、 
「かかあ天下」という言葉が産まれたのは有名ですね。 
武士階級や大きな商家などの女性は 
家の中にいることが多いでしょうが、 
自分で家事をする立ち場にはなく、むしろ 
使用人の監督などと受け持っていたでしょうから、 
ここでの彼女たちは 
「専業主婦」という言葉では括れないでしょう。 

明治時代になって、日本の欧米化/近代化運動が進むと、 
女性達が欧米型の女性の権利に目を向け始めます。 
経済的な自立を求める一方、 
家事労働にたいする評価を求める意見も、 
すでにこの頃から出て来ていたようです。 
また、子供を抱える家庭などのために内職も勧められています。 
明治20年代に日本の紡績業が急速に成長し、 
工場での人手が必要だった時代の背景もあるでしょう。 
ですが、「男一人の金で女三人雇える」といわれた通り、 
女性の賃金状況はさほどよくはなかったようです。 



昭和になって、日本は戦争の時代へと突入します。 
1930年(昭和5年)の「昭和恐慌」で大打撃を受けた日本は、 
主な産業を農業から工業に転換します。 
1937年(昭和12年)の日中戦争勃発から、 
男性が次々と徴兵されて行く中、農業や工業など 
仕事の多くを女性が担うようになりました。 
そして終戦。1945年、GHQによって婦人の解放が 
五大改革のひとつとして指示されます。 
これによって、女性参政権のほか、 
女性の社会進出と地位向上への様々な基礎ができあがりました。 
1950年代半ばより、日本は高度経済成長の時代に入ります。 
それと同時に、企業で働く夫に対して 
女性は家事を一手に引き受ける存在、 
つまり、「専業主婦」であるように、またそれを推奨するよう 
様々な政策も出されます。 
ここにきて、「家事」という言葉が一般的になります。 
単に「家の中の仕事」と「外の仕事」という概念しかなく、 
どちらも男女ともに行うのが当たり前だった時代から、 
「家事は女性がやるもの」という、 
新しい認識ができてくるのです。 
初期の専業主婦は経済的な余裕を表す一種のステータスでしたが、 
だいたい1970年代に、いわゆる「専業主婦」の数が 
ピークに達したといわれています。 
ここから十年くらいが、いわゆる「クリスマスケーキ」 
という言葉が流行した時代で、就職した女性も 
結婚してから一度退職するのが普通になってきたようです。 

しかし、ここでバブルが崩壊します。 
景気の悪化から、 
男性ひとりの収入では家族が暮らしていけない、 
という家庭が多く増えました。 
そこで、今まで主婦だった女性達が、 
ふたたび社会に出て労働するようになります。 
ですが、日本の雇用制度での再就職の難しさや、 
企業側の余裕のなさから、結婚、子育てなどで 
一度退職した女性がふたたび正社員になるのは厳しく 
パートタイムや派遣社員としての労働が多くなってきます。 
しかし、これによって、家庭内の仕事をする人間がいなくなり、 
子供、特につききりで世話をしなくてはならない 
乳幼児を持つことが難しくなってきました。 
このことが、日本の少子化に拍車をかけ、 
将来的な労働力はさらに減りつつあります。 

現在、リーマンショック以降、 
日本の経済状況はさらに悪化し、 
男女ともに、アルバイトやパートなどの 
「非正規雇用」の占める割合が大きくなっています。 
特に、90年代の「就職氷河期」で就職できなかった 
若年層が、そのまま非正規雇用で働いているというのが、 
大きな問題となって、ワーキングプアという言葉が 
一般的になりました。 
また、正規雇用されていても、給料の切り下げや 
ボーナスの停止などで家庭の経済状況は悪化しており、 
労働における拘束時間は男女ともに変わらない、 
あるいは以前より厳しくなっているにもかかわらず、 
生活は楽にならないという見通しの暗さから、 
「専業主婦」という言葉が、ふたたび経済的余裕を示す 
言葉のうちのひとつになりました。



参考資料 

明治・大正期の女性労働政策(三) 高橋 保 
http://blog.katei-x.net/blog/2007/03/000174.html 

女生と仕事の未来館HP 
http://www.miraikan.go.jp/tenji/index.html 

1945年の日本の女性史 Wikipedia 
http://ja.wikipedia.org/wiki/1945年の日本の女性史 

民主化に関する五大改革指令 Wikipedia 
http://kwww3.koshigaya.bunkyo.ac.jp/wiki/index.php/民主化に関する五大改革指令 

現代日本の主婦 国際女性学会編 
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/db1980/8001is.htm 

専業主婦という選択 土屋結花 
http://www1.tmtv.ne.jp/~yoquita/gt0411232.pdf 

「専業主婦層の形成と変容」,原純輔編『近代化と社会階層』 
杉野勇・米村千代 
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/db2000/0006si.htm 

日経プレリリース 2009年冬のボーナス 
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0241224_01.pdf 

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